FINAL FANTASY XIV SS

FINAL FANTASY XIV を舞台とした創作小説です。

2017-11-08から1日間の記事一覧

第三十九話 「闇」

私は何事かと思い、声をかけてきた商人らしき男を見ると、どうにもまっとうな商売をしていなさそうな身なりをしている。私は少し警戒しながら「もしかして私のことですか?」と聞くと、商人らしき男はうんうんと大きく頭を縦に振った。 ウルダハの危機を救っ…

第三十八話 「晩餐会への招待」

法務庁の突然の訪問により、和やかな雰囲気だったギルド内の空気が一気に張り詰める。その空気を法務庁の者達も察したのか、 いや・・・驚かせてしまってすまない。こちらの者の不手際により、ギルドの皆さんに迷惑をかけてしまったようだ。首謀者はいまだ逃…

第三十七話(外伝) 「ララフェルの少女」

聞いて・・・・・・感じて・・・・・・考えて・・・・・・ 頭の中に響き渡る声・・・ またこの夢だ・・・ 私は大きなクリスタルの周りを、何をすることもできずに只々浮遊し続けている。 聞いて・・・・・・感じて・・・・・・考えて・・・・・・ うるさい・・・ 耳を塞いでも、聞こえてくる声に…

第三十六話 「折れたザル剣」

アルディスは剣をリーヴォルドに向けながらも動かない。 どうした? こんなところで情に走るなんぞ、愚か者のすることだぞ? と、リーヴォルドは自分に剣を向けたまま動かないアルディスを煽る。 リーヴォルド・・・馬鹿なお前に教えてやるよ。 リーヴォルド…

第三十五話 「ハイブリッジの戦い」

ハイブリッジに向かう前に剣術士ギルドに立ち寄ると、数名の剣術士が戻っていた。みな浮かない表情をしながら、状況を把握できずに戸惑っている様子だった。話を聞いてみると、街中で誰に聞いてもアルディスのことはおろか、ナナモ様暗殺未遂のことを知って…

第三十四話 「ナナモ女王暗殺計画」

ミラは復帰しているだろうか・・・ 剣術士ギルドにつくと私は入り口のドアを開け、そーっと中を覗き込んだ。 ??? 剣術士ギルドの入り口は開いていたものの、中に人の気配がない。私は不思議に思いながらもこっそり中に入ると、 コラァァァァッ!!!!! …

第三十三話 「上に立つもの」

その後私は、迎えに来た銀冑団の者に連れられてウルダハへと戻った。 宿へと連れて行ってもらえばいいと言ったのだが、恩人に大事があってはまずいとのことで、半ば強制的にフロンデールの病院へ連れられて行った。手厚い保護をしてもらえるのはありがたいの…

第三十二話(外伝) 「海賊」

・・・・・という段取りでお願いしたい。 ガヤガヤとした喧騒に包まれる酒場で、今まさに国を混乱に貶める密約が交わされようとしている。なによりここは酒場であり、エオルゼア全土で活動する冒険者のためのギルドでもある。 なぜ敵の手先のような機関のと…

第三十一話 「盲目なる勝利」

・・・・・こいつ・・・どこかで・・・? 私は剣を構えながら、男と対峙する。黒色のローブを着たこの男と過去に会った覚えはない。そのはずなのに、記憶の一辺になにか引っかかるものを感じる。 ズキンッ!! ・・・くっ!! その記憶を辿ろうとした時、突…

第三十〇話 「近衛騎士の誇り」

パパシャンの口上によって士気の上がり切った銀冑団の猛撃はウルダハ侵略を企んでいた男たちをあっという間に倒していく。 実戦経験はなくとも、日々積み重ねられた戦闘技術がここで花開いたようだ。パパシャンの激はオワインを初めとする銀冑団員の恐怖心す…

第二十九話 「点と線」

呆気に取られ、言葉を発することすらできないオワインの表情を舐めるように見ながら嘲笑する男。そしてローブの中から一つの鍵を取り出し、硬直したまま動かないオワインの足元めがけて投げた。オワインは手を動かすもののそれを取ることもできず、鍵もまた…

第二十八話 「失われた王冠の行方」

王家の王冠はそもそも、国賓を招いたときや国の行事の時にのみナナモ女王殿下が着用される。それ以外の時は王宮の奥の奥にある宝殿の中に厳重に仕舞われているのだ。 ・・・その王冠が無くなったのは、ガレマール帝国との戦いで亡くなった多くの者たちを弔い…

第二十七話 「凋落のウルダハ王室」

冒険者殿っ! その手紙について、折り入ってご相談があるであります!! フフルパは急にまじめな顔になり椅子の上に座ったかと思うと「がばっ」と勢いよく頭を下げた。 実はその便箋・・・前ローズ隊隊長のバルドウィンの机から出てきたものであります。差出…

第二十六話 「フロンデール薬学院の青年」

フロンデール薬学院が開いている病院に担ぎ込まれてからはや数週間。襲撃者の毒の解毒薬とワクチンが完成すると共に、私も晴れてお役御免となり退院することとなった。解毒薬については、人の精神を侵す「毒」の解毒には成功したものの、剣術士を狙うという…