FINAL FANTASY XIV SS

FINAL FANTASY XIV を舞台とした創作小説です。

2017-11-09から1日間の記事一覧

第四十六話 「目覚め」

ゆっくりと目を覚ますと、天井と呼んでいいのかわからない光景が視界に映る。 岩の天井・・・ 薄暗く、灯す明かりも少ない空間の中に、私は寝かされていた。耳にはぴちょん・・・ぴちょん・・・という水の滴る音が響いていた。 あれここ・・・見たこと・・・…

第四十五話 「運命の鎖」

・・・・また知らない天井だ。 目を覚ました私の目に映ったのは、簡素な造りをした部屋の天井だった。 だるい体をゆっくりと起こして、目を擦りながら周りを見渡す。 ここ・・・・どこ・・・・? なんだか記憶があいまいだ。 私は記憶の一つ一つを探りながら…

第四十四話 「裸の少女」

目を覚ますと、頭の痛みもすっかりと消えていた。 お姉ちゃん・・・・・どこ・・・? 視界にララフェルのお姉ちゃんの姿が見えないことに不安を感じ、起き上ろうと体に力を入れると、ふと手が誰かに握られていることに気がついた。ゆっくりと体を起こし見て…

第四十三話 「居場所」

聞いて・・・・・・感じて・・・・・・考えて・・・・・・ 何だろう・・・ どこか懐かしい声が響いてくる 遠い昔、聞いたことがあるような願いの言葉。 聞いて・・・・・・感じて・・・・・・考えて・・・・・・ 聞いてるよ・・・ 何を感じるのかは分からないけれど・・・ 私は何を考えればいいの…

第四十二話 「追憶」

はぁぁ・・・・ 私は何度ついたかもわからないほどの溜息をつく。 不規則に揺れる船の揺れに酔ったのか、とても具合が悪い。船に乗るのも初めてだし、そもそも村からこんなにも遠く離れることすら初めてだった。 ううぅぅ・・・・ ただでさえこれからのこと…

第四十一話 「不透明な旅立ち」

聞いて・・・・・・感じて・・・・・・考えて・・・・・・ 何度も聞いたお決まりのフレーズが頭に木霊する。しかしいつもと違ってクリスタルの姿は無く、あたりには黒一色の暗闇が広がっている。 そうか・・・・ 世界が閉じているのではない。 自分の視界が閉じているだけなの…

第四十〇話 「罠」

あなた方の帰国手続きは私の方で手配させていただきますよ。なに、警備が厳しいと言ってもコネさえあればなんとでもなるのがウルダハです。損得の天秤が「得」に傾けば、規則なんて全く意味はありません。 そう言って商人らしき男は後ろ手に控えていた大柄な…