FINAL FANTASY XIV SS

FINAL FANTASY XIV を舞台とした創作小説です。

2018-01-13から1日間の記事一覧

第七十話 「決意・旅立ち・そして別れ」

うはっ!すげえなありゃ!! 俺は目の前で起こった光景に思わずテンションが上がる。今まで感じたことの無い圧倒的なエーテルの圧力に、恐怖を通り越して一種の「憧れ」に近い感情が沸きあがった。 見たことの無い幻獣。 いや、あれは幻獣というよりはむしろ…

第六十九話 「命の再会」

すべてを白にと染め上げる閃光は、次第に収まっていく。しかし光の集束と入れ替わるように、すべてを飲みこもうとするような「恐怖」が体にまとわりついた。力を奪われる感覚。いや、そんな生易しいものではない。存在そのものが飲みこまれそうなほどの強大…

第六十八話 「サスタシャ浸食洞」

このあたりか? 私は斧術士ギルドのメンバーと猟犬同盟の混成チームで、怪しい男が出てきたあたりに入り口のようなものが無いか捜索している。しかし方々調べてはみるものの、不審なところはない。唯一人の出入りを示す足跡は見つけたものの、やはり途中で途…

第六十七話 「激動への序曲」

クジャタとコボルド族が去った後、私はイエロージャケットと斧術士ギルド、そして応援に駆け付けた「猟犬同盟」達と共にけが人の手当てに追われた。回復魔法が使える巴術士がいればいいのだが、残念なことにその姿は無く、持ち合わせのポーションと傷薬で応…

第六十六話 「迷いと戸惑い」

ちっ……久々だったがやっぱり慣れねえな。しかも、まさかここかよ。 後ろを振り返りながら上を見上げる。そこには立派に装飾された大きな結晶体が淡い光を放ちながらそびえたっていた。さすがは都市中心のエーテライト。広場として綺麗に整備されていて、サハ…

第六十五話 「それぞれの戦い」

私はオシュオン大橋を渡り、北側にむかおうとする。特にあてがあるわけではないが、一度レッドルースター農場へと向かい食べ物を少し分けてもらおう。その後どうするかまでは、今は考えられない。 おいあんた! どこに行くんだい!! 橋をフラフラとした足取…

第六十四話 「造船所炎上」

痛たたた…… 体中をズキズキとした痛みが走る。一度解かれたはずの縄で再び拘束され、いわゆる「尋問」を受けた私は床に転がされている。 私はどうやら気を失っていたようだ。痛みに耐えきれず、思わず「特別な者」であると言ってしまったが、やはり「はいそ…

第六十三話 「捕縛」

……ああ、わかってるさ。準備は滞りなく進んでる。 ……… そっちの方はどうなんだ?完成は近いのか。 ……… そうか、そんなら問題ないな。 ……… 召喚のタイミングは知らせるようにする。近いうちにどちらかが先に動く。だからあんたらは安心して海都を襲いな。 じ…

第六十二話 「巨躯の影」

(しまった……) 決意を新たにして工房を出たはいいが、そういえば双剣士ギルドと連絡を取る手段がわからない。 (確かジャックはアジトを変えたと言っていたが……とりあえずあの倉庫に行ってみるか。) 私はエーデルワイス商会の倉庫であり、双剣士ギルドのア…

第六十一話 「光と影」

なんか久々だな・・・ 私はコーラルタワーに向かう前に、工房に立ち寄ることにした。まだ「嫌疑」は晴れていないとはいえ、監視対象からは外れたことを伝えるためだ。おやっさんの斧のことはまだなにも情報はないが、途中経過を報告してあげたほうが安心する…

第六十話 「緊急招集」

同日夜 黒渦軍司令部 緊急招集 参加者メルヴィブ・ブルーフィスウィン(リムサロミンサ 国家党首)エインザル・スラフィルシン(黒渦団幹部 外洋警備統括)ブルーエイディン少甲佐 (キャンプオーバールック 担当)ギムトータ大甲士(モラビー造船廠 警備隊…

第五十九話 「ミリララ」

眩しい・・・ 朝の強い日差しを顔に浴び、私は浅い眠りから目を覚ます。窓を見ると、まるで希望に満ち溢れるかのように燦々と輝く太陽の光が眩しく世界を照らしている。(はぁ・・・)私はその太陽の輝きをもってすら晴れることのないため息を吐く。(もう何…

第五十八話 「望まぬ結末」

終わったか!? 崖下に「人拐い」を追っていったジャックたちが戻ってくる。しかし重い空気が流れる状況を察したのか言葉を詰まらせた。 ま・・・まさかぺリム・ハウリムの奴が・・・ ジャックはぺリム・ハウリムが横たわったままであるところを見ると、目を…

第五十七話 「死の意味」

老人の指示のもと、スカイリフトのあるデセント崖まで歩く。 (そういえばささやきの谷もこのあたりか・・・) そう思いながらスカイリフトの埠頭の先まで行くが、さすがに夜更けでは誰もいない。 (それで・・・ここで私はどうすればいいんだ?) 鼻が曲が…

第五十六話 「シーフ」

世界はいつだって絶望に満ちている。 幸せな人はただそのことに気がついてないだけ。楽しげに笑っている人も、希望に輝いている人にだって、ほら・・・ 絶望の淵は、すぐそこにあるんだ。 希望も絶望も知らなかった無垢な私の人生は、赤の他人の気まぐれによ…

第五十五話 「巴術士の女」

それがあんたにも深い因縁のある「黒い入れ墨の男」の存在だよ。 そいつは普通の海蛇の舌の奴らと違いがあってね。海蛇の舌の奴らの入れ墨は「青」なんだが、そいつの入れ墨だけは「黒」なんだ。理由は分からねぇがな。だから初めは海蛇の舌とは切り離して考…

第五十四話 「片目の暗殺者」

ドクンッ! ドクンッ! 急に心拍数が跳ね上がる。それを隠すように手で胸を抑えた。 アイツは私が死んだ「あの事件」に関わる人物。あの男が「生きている」ということは何らかの事情を知っているのではないか?もしかしたらアイツは私を嵌めた側であるかもし…

第五十三話 「人拐い」

・・・さて 人拐いを捕まえると息巻いたものの、なにか当てがあるわけでもないのも事実である。不穏な集団の目撃情報が多いソルトストランド周辺もすでにイエロージャケットによって警備が強化されている。レイナーに忠告されたこともあるが、わざわざ警備が…

第五十二話 「疑惑」

ある日のこと、いつものように工房で作業をしていると突然黄色い制服を着たララフェルの女が工房の中にズカズカと入ってきた。 ここの店主に話があるの!何処にいるのかしら!? ララフェルはキッとした表情でこちらを睨みつけながらぶしつけに叫んでくる。…

第五十一話 「クジャタ」

は斧術士の男に冷ややかな視線を向けられながら、自分の不甲斐なさにショックを受けてしまう。いち剣術士として「なまくら」であろうとも剣をまともに扱えなかったこともあるが、曲がりなりにも鍛冶職人として剣の真贋を見極めることすらできなかった。そし…

第五十話 「ナルヴィク&ヴィメリー社」

翌日、私は工房に顔を出さずにN&V社へと向かった。目的は昨日の夜に決めた答えをハ・ナンザに伝えるためだ。受付にハ・ナンザに用があることを伝え、工房を横目で見ながら奥へと進む。相変わらず流れるような作業で商品が次々と出来上がっていく光景は圧巻だ…

第四十九話 「決意」

突然突き付けられた「現実」に、私は言葉を詰まらせる。その表情を見て、ハ・ナンザはなぜか納得したようにうんうんと頷く。 今君が抱いている感情は、鍛冶師だけでなく「クラフター」や「ギャラザー」を目指す者達が必ず直面する問題だ。確かに出来ないもの…

第四十八話 「職人として」

モラビー造船廠~モラビー造船廠は、第七霊災後「オシュオン大橋」を越えた先にあるエーテライトゲート、モラビー湾の側に建設された巨大な造船ドックである。霊災時に大損害を受けた船の建造と修理、および黒渦団の軍船の建造・および保守を目的としてナル…

第四十七話 「鍛冶」

おい! できたか!? 金属を打つハンマーを肩に担ぎながら、大柄の男が私に怒鳴る。私が頷くと、男は近づいてきて「見せてみろ」と言いながら、私が製作した剣を手に取った。色々な角度から刃の打ち込み具合や柄との接合部、おさまり具合など、こと細かくチ…